DC色々体験記 2002年10月
10月某日 家族がDCへ
1日目、父母妹到着。3人でスーツケース1個以外は簡単な手荷物という軽装に驚く。到着後すぐ、時差ぼけが解消も兼ね、G−streetファブリックや、リネンシングス等アメリカらしい大型店へ家族を連れ回す。
2日目、4人でNYへ。アムトラックで3時間半。セントラルパーク、メトロポリタン美術、ミュージカル「美女と野獣」とお上りさんコース。
翌日、朝、グランドゼロ横をタクシーで通過、バッテリーパークで自由の女神を遠目に見て、ソーホー散策、チャイナタウンで昼食。グゲンハイムへ。ここで自分だけDCへもどる。
3日目、家族は午後無事DCへ。夜ケネディセンターでのワシントンオペラへ、La Boheme。93ドルはちょっと高いかと思ったが、楽しめた。セットは明治村?と思いきや、最後の方ではミレーの落ち穂拾いを思わせるがごとき陰影の美しさ。19世紀の絵画を見ているかのよう。余り趣味ではないけど。
オペラは、冷静に考えれば、セリフはなしでずーっと歌っていると言うのもヘンな話しで、あんなに死ぬ直前まで歌っていたら、死期が早まるわな、などというベタなつっこみはさておき、まあ独特の文化ではある。字幕(舞台上部の英語)はなかなか難しい単語も多く、他の観客の笑う部分がわからないのが悲しいところ。
4日目 朝10時、家族をプライベートツアーに送り出し、仕事へ。
プライベートツアーでは、アーリントン墓地、タイダルべースン、リンカーンメモリアル、魚市場、自然史博物館、アフリカ博物館、サックラー、ナショナルギャラリーで終わり。
5日目 朝から雌を追いかけまわす雄パンダのおかげで、飼育場内を転げ回る活発なパンダを見ることができた動物園、フィリップスコレクション(ボナール展)、ナショナルギャラリー、同東館、植物園、帰って急いでナショナルフィル、という過密スケジュール。遅刻して1曲目の現代曲は入れなかったが、メンデルスゾーン、ブラームスを楽しむ。うとうとしつつもゆっくりと。帰りにカフェデラックスで5日目にして初の?アメリカ料理(サーモン、羊、クラブケーキ、ツナステーキ)。何でもおいしいと食べる家族は皆ワイルド。夜荷造り。ちょっとスケジュール詰め過ぎかとも思ったが、体力的には大丈夫のようだった。スケジュールはタイトにしておいて、様子を見て削る、と言うのがいいかもしれないと思う。
6日目
ダレスへみんなを送迎。ワンベッドのアパートに4人の集団生活もこれで終わり。
10月某日 Falling Water
車で片道3時間半。帰りは平均80マイルでとばして2時間半。結構ロングドライブ。FALLING WATERはフランクロイドライトの設計の別荘をそのまま博物館にした者。ロイド流の「自然との調和」。枠のない窓、自然石を利用しつつ、滝を覆うように作られた建物。洞穴のような屋内の雰囲気。15ドル1時間ツアーはその価値大いにあり。カーテンのない窓だらけで、昼は直射日光が暑かろうとか、夜は暗かろう、光熱費高そう、などと思う一般人の悲しさ。目的地前後の紅葉も美しく秋の訪れを感じることができた1日。
10月某日 フラメンコ!
友人に便乗し、DCのNE地区(結構危ないところ)の「スパニッシュダンス」を見に行く。内容はモダンフラメンコ(という言い方は正しいの?)。先生2人組は良かったが(雰囲気があり、動きに年輪を重ねた味があり)、生徒の7,8人はちょっとねえ。バラツキが気にかかるし、ポーズが甘い子も。フラメンコに禁物の笑顔も。カンパニーとはこれいかに。西日暮里(アルハンブラというレストランのフラメンコショー)も結構レベル高いかもと思った。
10月某日 ミネソタへ
セントポール、ミネアポリスのツインシティ。セントポールからミネアポリス(10マイルくらい離れている)へ向かうと、ミネアポリスのビル群が平らな地面にそびえ立つ様は美しい。程々に都会、と言う感じ。中心部もホームレスは少なく(寒いから?)、危ない感じは余りない街。気温は30度台で、コートなしでは寒かった。
モールオブアメリカ(アメリカ最大のモール)。でかい温室に遊園地、500店くらいの店が入っているアメリカ最大のモール。300メートル四方くらいあるのか。ジェットコースターなどが走り回る。こりゃでかい。ミネソタ美術館、現代美術館。ミネソタ美術館は、バージニア美術館並によかった。ギリシャ・ローマから始まって、一応ちょこっとずつだが全世界を対象にしている。日本、中国については、実際の茶室などの建物を再現するなど力が入っている。近現代、マチスの作品はよかった。偶然のピカソ展(エッチング中心)に感動。線の一本一本の美しさに言葉を失う。これしかない、という線の軌跡。
現代美術館は、金魚の尻尾に”I”,”you “,“love”,”meet”といった単語を書いた紙を付けて、その模様を延々撮影したビデオが印象的。「おっ、Iとyouが交差した!」などと思いつつ。
丁度このとき、地元のウェルストン上院議員事故で死亡。州議事堂前で行われた追悼式に行ってみた。ろうそくを渡されて、なぜかウゥルストンのバッジも配られている。この際に在庫一掃してるのでは、という疑念。いろんな人の追悼の言葉に続き、アメージンググレース。適当にハミング。
突然の死者は常に美しい。変人扱いされていた超リベラルのウェルストン議員も一躍「信念の人」「上院の良心」へと昇華。
スティルウォーターという昔の町並み(といっても1800年代)が売りの川岸の小さい街も訪れる。静かな観光地。