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      VR パノラマ の研究結果です。

1.VRパノラマとは
VRパノラマとは、パノラマ・バーチュァル・リアリティの略で、その写真を自分で上下左右に操作して360°見渡すことができるツールです。実際、ソフトでは、Flashを使ってWeb上に埋め込んで表示したり、MOVファイルとしてQuickTimeでの閲覧を可能にしたりしています。現在では、ほとんどがFlashを使って表示されます。

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です。
2.作成方法
360°×180°の半球に相当する部分の写真を撮って、これをくっつけ合わせ、横2、縦1サイズの変形写真(正式には、正距円筒図法(せいきょえんとうずほう)Equirectangularによって変形)を作成することです。簡単に言うと、地球儀を写真に撮って世界地図の写真を作ることに近いです。実際に、この世界地図から、VRパノラマを作成すると、地球の中から、世界を見るような視点で地球が見えます。
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一般的な世界地図


右の画像です。


実際のVRパノラマ作成とは、地球の中に潜って、地表を撮影する感覚です。
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3.撮影方法
360°×180°の半球をすべて撮影する必要がありますから、できるだけ広角レンズによる撮影が必要です。私の場合は、対角線広角レンズ(画角は、150°×100°)があるため、これによれば、水平方向は、最低3枚(150°×3=450°)垂直方向は、最低2枚(100°×2=200°)ですから、6枚撮れば、論理的にはカバーできます。

実際問題としては、写真をくっつけるのにノリシロが必要であるのと、三脚を消すために、地面を追加で撮る必要があるため、必要枚数は増えます。

撮影上の注意点としては、ノーダルポイントを合わせることに尽きます。ノーダルポイントとはレンズ内の焦点中心のことです。これを探し出してカメラマウントの回転中心軸と一致させると、上下左右に撮影してもブレることのない中心から撮影することが出来るので、写真のステッチの際の微調整作業を限りなく減らす事が出来ます。手持ちの場合も、できるだけ焦点中心をずらさないように撮影できれば、写真のつながりが良くなります。
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3.実際の撮影
 三脚使用の場合
数万円出すと、ノーダルポイントをずらさないで上下左右撮影できる雲台が販売されていましたが、雲台の形を見た瞬間、自作できそうと思いました。調べてみると、Webのなかでも、自作した人がいましたので、それを参考にして、作っちゃいました。


こちらが、VRパノラマ作成用の雲台です。
自作です。
費用は、クイックシューまで付けたので、約5,000円くらい。







それでは、部品について説明します。

ヨドバシネットで購入したもの
エツミ E-6084 [止ネジ(メス・メス)]           580円 2個
エツミ E-521  [止ネジ 短]                180円 1個
エツミ E-530  [エツミブラケット用止ネジ]      360円 1個
エツミ E-293  [エツミコンパクトクイックシュー]  2,058円 1個
ハクバ HQS2-S [クイックシュー2 (S)]         1,980円 1個

ホームセンターで購入したもの
取付金具L型 20センチ 10センチ 300円くらい
取付金具I型 15センチ        100円くらい

ビス類 カメラのネジは 1/4インチ ネジで、これが、ホームセンターには、売ってませんでした。(みんなミリネジ)
そこで、しかたなく、ここの会員になって、ネットで購入。ただし、1個単位では売ってくれなくて、大量に余っちゃってます。
六角ボルト(鉄/ユニクローム) インチねじ 全ねじ 1/4×16  2個
平ワッシャー(鉄/ユニクローム) インチサイズ 1/4 1.6t    7個
ノブスター 黒 M6 2個 

ちなみに、この雲台は、こちらのサイトを、参考にしてまして(というよりパクリ)、nakaさん、ありがとうございました。

あとで、E-530には、6角方向に白インクで目印を付けました。
また、平ワイシャーは、ノーダルポイントの微調整に数枚挟み込んで使用しました。



実際にカメラをセットすると、こんな感じになり、ノーダルポイントも、だいたい、一点に集約されています。カメラは、縦位置セットとなります。


撮影枚数ですが、いろいろ試した結果、カメラ縦位置で水平6枚、垂直2枚(上25°、下25°)、三脚外して地面1枚(三脚消し)の計13枚の撮影が、成功確率が最も高いことがわかりました。

ちなみに、私のカメラは、
NEX-5で、E16mm f2.8 + VCL-ECF1で、対角線魚眼になります
 

対角線魚眼とは、右のように写る魚眼レンズとなります。
四角が写真のサイズで、対角線が180°つまり、半球をカバーするということです。
英語では、Full Frame Fisheye と言います。

ちなみに、円周魚眼は、写真を撮ると丸く写るレンズで、Circular Fisheye と言います。
 


 手持ち撮影の場合

カメラ横位置で水平4枚、垂直1枚(上下0°)、上空1枚、三脚外して地面1枚(三脚消し)の計6枚の撮影が最小です。ただ、この場合、空間の撮影漏れがでたり、ステッチ(写真の結合)ができないことが発生しました。


カメラ横位置で水平4枚、垂直2枚(上25°、下25°)、上空1枚、三脚外して地面1枚(三脚消し)の計10枚の撮影が、成功確率が高いです。

この場合、ノーダルポイントをずらさないために、レンズのところに糸と重りをぶら下げて、重りをずらさないように撮影すると綺麗に取れます。
遠景が中心の場合は、ノーダルポイントをあんまり意識しなくても大丈夫ということも分かってきました。


 水平6枚撮影とは、簡単に言うと6角形方向に撮影することです。
 

4.カメラへの工夫
いろいろテストしていて、リモコンが必要と痛感したため買いました。
このリモコン、アマゾンで、1個350円。安かったので、思わず
2個買っちゃいました。
このプラスチックのカバーなんだと思いますか?
こちらも自作。NEX-5のリモコンって、後ろからは赤外線受信
が出来ないんです。
仕方ないので、このカバーで反射させてシャッター切ります。


三脚使っても、ブレは大敵ですし、水平6回をシャッターボタン押すよりは、リモコンの方が楽です。


 

5.写真の加工
有料ソフトでは、Ptgui、Panoweaver、フリーソフトでは、Hugin があります。いずれも、魚眼レンズに対応していて、焦点距離を入力することにより、ステッチをしてくれます。

Huginが使えたらよかったのですが、ステッチがどうも上手く行かず、断念。Web上の解説がしっかりしていたPtguiを購入することにしました。  ちなみに €146 です。


Ptguiはソフトは英語ですが、日本のWebサイトがしっかりしているのと、立ち入った利用はしていませんので、今のところ困っていません。

日本のVRパノラマを詳細に紹介しているサイトで、Ptguiについても、詳細な解説があります。

【参考サイト】

 
6.写真のアップ
出来上がった写真は、できるだけドットが多いほうが、見た時に拡大がで切るようになるので、8000×4000pixelくらいは欲しいです。
登録ですが、調べましたがサイトとしては、「花鳥風月」と「360cities」が見つかりました。ちなみに、花鳥風月では、4Mまでのファイルにする必要がありますので、画質を調整して、収めます。
花鳥風月の場合、登録すると、その画像のURLと埋め込みスクリプトが設定されますので、それをブログにコピペすれば出来上がります。
360citiesの場合は、URLのみなので、プログへの埋め込みができません。どうすればできるか研究継続中です。

【参考サイト】

360Citiesのサイト