11月26日〜30日 オランダ「レンブラント・ゴッホの5日間の旅」
11月26日(3日目)ヴァン・ゴッホ美術館、アンネ・フランクの家
【ヴァン・ゴッホ美術館】(注)写真は国立美術館にあるゴッホの自画像
10時10分過ぎの開館直後に入る。既に開館前の列が終わった頃で100人ほどが入っていた。この後も人は続々と入ってくる。すごい人の数。常にひとつの絵の前に平均8〜10人くらいいて、ゆっくり見たい自分は後方に下がって人の流れから離れることしばしば。
この美術館は、1883年から7年に満たない短い画家生命を時代順に見せる。日本語音声ガイドもあり、理解が深まって良い。写真は禁止で残念。おおまかに2階は時代順に代表的な作品、3階に同時代の画家、彼に影響を与えた画家の作品を展示。4階は自画像、小作品の展示と言った具合。なお、「ひまわり」はさすがに代表作だけあって、「日本に貸し出し中」との「ことわり」の掲示があった。
以下感想は沢山あるが最も感動した1点は、アルル時代(88-89)の「The Pink Peach Tree」。パリに疲れたゴッホがアルルに着いて、その自然に感動して一気に描いた風景画のうちのひとつ。音声解説は、主に作品の背景と、ゴッホが残した大量の手紙の中から、当該作品についての記述を読み上げるのだが、この作品を描いたときは「鉄は熱いうちに打てと、いうじゃないか」と語っているとおり、満開に咲き乱れる桃の木の花びらを、激しい勢いで、まるで木全体が炎で包まれているかのように描いたヴァン・ゴッホ。筆の速さが花の短い命とシンクロし、画家の集中力と緊張感が伝わってくる。今回の旅行でもっともshockingな絵であったことは間違いない。
1階のMuseum Shopも充実している。入場料で稼ぎ、goodsで稼ぎ、そして美術館は新しい作品を買っていく、、良い循環なのであろう。
ポスターを買ってしまったので、一度ホテルに戻ってから、昼食。初めてオランダ料理レストランで取る。Pea Soupは緑豆のポタージュという感じで美味しい。Sour Cabageは一見マッシュポテトを思わせる外見だが、食べてみるとキャベツをペースト状にしたものが酸っぱい味付けになっているという、「何か違うもの」を否応なく連想させる。一度でいい。一緒に出てきたソーセージは大きかった。
【アンネフランクの家】
昼食後、アンネ・フランクが隠れていた家(写真真ん中)へ。狭くはないが、窓に目張りをし、日中は音が漏れないようにささやくように話し、ラジオで戦況を確認し一喜一憂しつつ、毎日を同じ場所で暮らしていたとはかわいそう。ホロコースト博物館のように、ナチの残虐さに焦点を余り当てるのではなく、ひたすらアンネの悲惨さに焦点を当てる感じ。運命に翻弄されると一口に言うけど、当人はたまらないなあ、と。ここは長蛇の列で、4時半に行って30分待ち。中も一列になって歩く感じであった。
帰って、早く寝て、また夜中に目が覚める。
10時頃チェックアウト。8時間の帰りの飛行機の中ではうとうと眠るも熟睡できず。時差ボケをkeepしてオランダで過ごしたおかげで、DCに戻って全く時差を感じなかったのは幸いだったが。
「オランダ、レンブラント・ゴッホの旅」と意気込んだが、「日本で浮世絵を見てくる」といっているようなもので、そもそも広大なテーマであった。「これが最後かもしれないから、とにかく頑張ってみておこう」と思って目に焼き付けたはずの記憶が、これを描いている5日後には既にかなり薄れているのはやはり悲しい。帰りのフライトのまずい機内食の内容(サンドイッチ、スナック、チョコレートバー)は完璧に思い出せるのであれば、その分の記憶容量を、別の記憶に当てるべきだと思うが、なかなか思うようにならないもんだ。
(おわり)