9月某日 サックラー美術館・イサム・ノグチ展

 

9月某日(日)

昼、サックラー美術館。入るといきなりYayoi Kusamaの“Dots Obsession, 2002”に圧倒されるが、作者の素顔がどこに出もいる日本人のおばさんでシャープな作風と全く違ってちょっとガッカリ。

今回の目当てはイサムノグチ展。イサムノグチの訪日後の陶芸作品を中心とした展示。ノグチが陶芸にチャレンジしたのは50年代の訪日以降のことらしいが、陶器独特の質感と作品の造形とのマッチぶり。素材の特徴を生かしつつ自己の表現をいとも簡単に行うというのはすごいことだ。天才は何をやってもすごいのね。また、陶器を通すと、彼の日系人としてのアイデンティティが、彼のそれまでの作品のよりもストレートに出てくるのは不思議である。陶器=日本的なものと思ってしまう自分の目のせいかもしれないし、またノグチ=日系人のすり込みがそう思わせているのかもれないが。

 ノグチと親交のあった魯山人の作品、またノグチから影響を受けた日本人作家作品と並べての展示も東洋美術に造詣の深いサックラーならではの素晴らしさ。親交のあったモノの中に、岡本太郎の名も。非常に納得できる。李香蘭(山口淑子)が一時期嫁さんだったとは知らなんだ。

 展覧会最終日ということで、「45ドルのカタログが、27ドル!」、、、割引文句に弱い自分、一冊お買い上げナリ。買った後に、「こういうのって、機会を逃すと買えないし、、、」と「自然に」自分に対する言い訳が出てくる場合の買い物は、やはり良い買い物と言えない気がする。こう書きつつも、「でも27ドルにしては、なかなかいいモノだし」、「写真撮影不可で、写真撮れなかったし」などと次々に言い訳が浮かんでくる。誰も自分を責めていない、っちゅうのに。

 

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