DC色々体験記

2003年6月7,8日(土・日)ボストン旅行

 

6月7日(土)ボストン美術館

 朝のフライトは、飛行機の都合で1時間半も遅れ出鼻をくじかれる。他の便が全て順調なのに自分の便だけ遅れるというのはこれでテネシーに続き2度目。1時間20分のフライトでボストン着。空港からタクシーでボストン美術館へ直行。12時半から閉館(5時半)まで絵画鑑賞。ボストン美術館は「でかい!」という観念が頭の中で膨らみすぎていたせいか、DCのナショナルギャラリーより小さい位の大きさが意外。収蔵品数と展示品数の差が大きいのだろうか。

 

近現代も無茶無茶数が多いわけではないが、レンブラント、ゴッホ、セザンヌ、ルノアールなど主要作家は「名作」をきちんとそろえているところなど、さすがコレクションの「厚み」を感じさせる。日本などは、これホントにセザンヌ?見たいなことがよくあるような。

また、中国、日本部分についても作品をやたらに並べるのではなく、作品の「見せ方」が上手い。中国部門での、さりげなく描かれている砂漠の風を思わせるなだらかな曲線模様。日本部門での東大寺二月堂(だっけ?)のような暗い寺社の内部が再現される中で展示される仏像の数々。最初は多くの仏像の日本からの入手(購入?)年次が1900年頃であるのを見て、「貧乏な時代の日本から買い叩きやがって!」と義憤にかられたりもしたが、最後には「大事にしてくれてありがとう」という気になってきた。

この日は外は強い雨ということもあり、美術館から出てチェックインした後はホテルで食事。シーフードバフェでクラムチャウダーを食べ、とりあえず「達成感」を得る。

 

6月8日(日)ボストン市内観光。

朝からフリーダムトレイルという旧市街の観光地をつなぐ道を、他の観光客と共にたどっていく。旧州議会議事堂、クインシーマーケット、ファニエルホール、ポールリビアの家、オールドノース教会などなど。

 旧議事堂は、1776年にここのバルコニーから独立宣言が読み上げられたことで有名だが、正面はバルコニーの面?。そうだとしたら短い面が正面という珍しい例なのかも。また、建物自体はきちんと保存されているが、周囲に林立するビルに埋もれるような光景も印象的。

 ポールリビアの家は、1676年に建てられた木造の家。当時の生活を再現した内部が見られて、ポールリビアが誰なんだか全く知らなくとも面白い。何でも「米国独立のため、英軍が来た!と馬に乗って伝えた英雄」らしい。ふと、1676年云々と言っても、これが京都だと応仁の乱以降の建造物、仏像は「新しい」ものになるのに、と歴史の長さの違いを感じる。

ボストンのダウンタウンはケベック同様に、街の道路の湾曲(計画都市の「直角」さが無い)に、歴史を感じる。NYほどではないが、高層ビルがまさにその昔ながらの区画の上にそびえる様子も、その街が、荒廃することなく一貫して「都市」であり続けたことの証。

 午後、ハーバード大学へ。緑多く閑静なキャンパスが美しい。何より、歩いている若者が皆賢い顔をしている。DCNYの街中にたむろしているダブダブのシャツ、半ズボンの若者(何か事があれば"ユー!エス!エー!"と叫んでいるのはきっとこいつらだ、と思うタイプ)とは明らかに違う、未来に燃えた強い眼差しの賢そうな若者が大勢いた。人種的にも多様であるのも印象的。さすがハーバード。日本の大学には国際競争力が全然無いことが思い起こされる。

2日間歩き回り、母・叔母も疲れた様子。ハーバード大学構内にも、サックラー美術館などがあるが、母、叔母は「もういい。」。巨大美術館を回りすぎた母、叔母には「平凡な小美術館」としか見えなかったのも仕方ない。全体としては満足していた様子で安心。2人が月曜朝NY行きアムトラックに乗り込むのを見届けてから、DCへ。午後から出勤。

ボストンも一度は訪れてみるモノだ、といつもながらの感想ながら、実際にそう感じた旅行だった。(おわり)

戻る