DC色々体験記 2003年10月

 

10月某日

買い物へ行って、安かったので、ターキーを買ってきた。4.37パウンドで、4.33ドル。1パウンド当たり99セント。普段は1パウンド2.5ドルらしいので、6割引。4.37パウンド×0.453=1.98kgなり。2キロのターキーを、水洗いし、オーブンで1時間半でできあがり。骨を除いても4,5人分はたっぷりあったが、飽きて半分は捨ててしまった。でも原価500円、缶詰のグレイビーソースも100円弱だから気にならない。一緒に買ってみた缶詰入りのクロワッサン生地(オーブンで10分強でできあがり)はヒット。80セントで4個のクロワッサンが出来た。

 

10月4日(土) マイナー観光地へ日帰り旅行

職場の友人とカヌーに行く予定が早朝の雨で断念(結局晴れて行けば良かったという結論になったのだけど)。予定を変更して、「誰も行ったことのない観光地」に行こうと言うことになったが、DC滞在3年を超えた同僚もいるため、なかなかコレというところもなく、決まったのは、メリーランドのセントメリーズシティ。DCから2時間強。ポトマック側とチェサピーク湾にはさまれた半島のほぼ先端へ。ここはメリーランド最初の入植地。当時の建物が再現された街を歩き回れるという、いわばヴァージニア州のウィリアムズバーグをずっと規模を小さくした感じ。土曜というのに2,30人しか観光客いなかったのではないかというさびれた観光地。2キロ四方はあった巨大なウィリアムズバーグに比べ、ここは100m四方という感じ。「ウィリアムズバーグの縮小版だ」と思った瞬間に、7.5ドルの入場料さえ惜しくなり、結局タダで入れるおみやげ屋に入っただけで終了。

近くの「フォートリンカーン」にも立ち寄る。南北戦争中に囚人を動員して作られた砦なるも30m四方の土地を土手で囲っただけ、としか見えない。観光地といえるのかすら怪しい。由来を記した立て札が無ければ単なる倉庫群。再現された建物も中は荒れて観光地の体をなしていない。

ポトマック川河口は広くて、対岸が見えない。最初は海かと思った砂浜。どこまでが川でどこからが海になるのか。国際法でそういう定義があったような気がする。アメリカの地形は規模が違う。

昼ご飯はシーフードレストラン。親父が捕った魚を奥さんが調理するという家庭的な店。親父は店の中でカントリーを大音量で気持ちよく披露している。誰も聞いていない。なんとものどかな風景、などと思いつつも、店内に飾ってある家族の写真を見てみると、どうもベトナム戦争の帰還兵(親父)がベトナム女性(奥さん)を現地から連れてきたという構図。アメリカだ。

 

1度も行ったことがない観光地だったけど、2度と行くことはないだろう。「一期一会」、これも何かの縁であろう。

 

10月7日

加州知事選、シュワルツェネッガー当選。任期4年の知事を当選から1年経たないうちにリコールだなんて、ちょっと酷い。万一の場合に備えてそういった制度が必要なのは分かるけど、こういうのは制度の濫用と言えるのだろう。

 

10月10日(金) ナイアガラの滝観光

 

10月11日(土)〜13日(祝) World Salsa Congress in Toronto

 

10月13日はこちらはコロンバスデイで暦の上では祝日(連邦政府機関はお休み)なのだが、アメリカの場合、民間企業はサービス業でなくても、普通に出勤するところが多いらしい、と聞いて驚いた。お上の決めた祝日でも、民間企業は独自の判断で営業日にしてしまうこともあるということらしい。国の決めたことよりも、資本主義の原理が優先?と考えるのは大げさなのか?結構当たっているような気がする。

日本はレジャー産業等だけが営業して、それ以外は政府も一緒に休むし、それが普通だと思っていたが、、。アメリカにきて1年半、まだまだ違いに驚くことは色々あるもんだ。

 

10月某日 ホワイトフリント(ショッピングモール)へぶらりと行って、”Mistic River”なるクリントイーストウッド監督、ケヴィン・ベーコン主演(ショーンペンも出ていた)の映画を見る。大まかなストーリーは分かったが細かなセリフはよく分からない。正直1年半住んでもこの程度というのが現実。5.5ドルは安くていいんだけど。

散髪に行って短くなってきた。イイ感じ。

 

10月某日 日本からの来客を迎えてDC観光。議事堂は美しい。同じ角度で撮ったことのある写真を再び撮ってしまう。白さが眩しい。薄汚れた感じは微塵もなく、この目映いばかりの、異様とも言える白さが周囲に同化せず、超然とした雰囲気を醸し出している。ホワイトハウスは遠くから柵越しに見るだけ。遠い存在に感じてしまう。

 夜、再び缶入りのパンの素使って、パンを焼いてみる。広げて丸めてオーブンで10分。簡単簡単。しかも上手い、焼きたての間は。

 

10月某日 久々?の焼き肉。アナンデール(韓国人コミュニティ)の韓国語しか通じない(実際はそうでもないけど)雰囲気の店。カルビはプルコギみたいな味付けで、やや期待はずれ。メニューは全てハングル、英語の説明がしてあるメニューは5割くらい。

 

10月某日 米国議会は、歳出法案審議をめぐって議事手続き上の裏技・表技が水面下で飛び交っているらしい。こんなの日本には全く興味のないことなんだろうが、末端レベルの担当者は知らないと答えるわけにも行かず、地道にフォロー。考えたら、日本人で、こういうニュースを読んでいる人ってほとんどいないはずだ。新聞記者とかも含めて、10人いないんじゃ無かろうか。こういうことを考えて、無駄なことをしている空しさを解消するため何かしらの希少価値を見いだそうとしている自分が悲しい。

11月末の長期休暇の夢は仕事が入り、あえなく泡と消えた。しかし26日午後の休みが取れたので、27日からの4連休(カレンダー上4連休)とあわせ、4日半の休み。どこに行こうか考えて、「ちょっとレンブラントを見に行ってくる休暇」をテーマにオランダ3泊5日の旅に決定!チケットも470ドルで往復直行便を確保。帰りが日曜でなく、火曜であれば320ドルで取れたのに、、、。旅行のテーマ、名付けただけで満足してしまった。

 

10月某日 初競馬

職場の同僚と大勢で、メリーランドのローレル競馬場へ競馬に行く。詳しい一人に何も知らない同僚が興味本位で付いていく構図。

生まれて初めての馬券購入。30分おきに地元のレースが目の前で、その合間に30分おきに他の競馬場で行われているブリーダーズカップがあり、15分おきにレースがある。その合間に馬券を購入するもんだから、判断停止状態に陥って、知らず知らずのうちにヘンな馬券も買っている、という仕組みで金が財布から消えていく。「通」は前日にしっかり分析を終えているらしい。

何のレースがあるか、どういう仕組みで馬券を買うかも知らずに到着後、情報誌(1.5ドル)を購入。最初は倍率だけ見て本命を判断して買っていたが、2,3レース終えてようやく情報誌の読み方(過去の戦績)がわかり、それを元に買って若干当たり始めた。自分の買っている馬が最後の直線で競っていると興奮するものだ。

ちなみに馬券の買い方は簡単で、窓口で、Laurell, 8th race, 2 dollars, Number 4 to winと行ってお金を出せばよい。訳すと「ローレル競馬場の第8レース、2ドルを4番の馬に、単勝で」winというのはその馬が1位に入ると当たり、この部分をplaceと言えば、2着まで、showだと3着までに入ればいいという買い方。当たりやすくなる分当然払い戻しも低くなる。その他exacta(1,2着をきっちりあてる)等の他の買い方もあるようだ。日本と違って「枠」というのは無かった。

最終的な収支は70ドル(1レース当たり10ドル程度購入)使って、半分くらいが戻ってきた。ブリーダーズカップの第8レース(G1)で3番人気のアイルランドのHigh Chaparral号を単勝(Win)で当てて4.5倍の払い戻しがあったのが一番の「大当たり」。写真判定になり冷や冷やしたが。

馬を見ているとなかなか綺麗でいいが、まあ、自分はやはり1度でいいかな、と。研究すればより楽しめるだろうけど、一緒に行った同僚のエコノミストによれば、「経済的な分析は出来るけど、実績から未来を予想するにしては、過去のデータが少なすぎる(分析できるだけのデータがそろう頃には馬は引退する)」とのこと。「だったら何でやってんですか?」、「理論的に行かない部分がいいんです。」、「ははあ、、、そうですか。」

 

(10月終わり)